大人の発達障害 最新の診断方法

 土ドラ「僕の大好きな妻」、ご覧になられただろうか。新婚ほやほやの知花と悟はささやかで幸せな毎日を送っていたが、次第に部屋の散らかしっぱなし、約束忘れ、タオル内への卵の置き忘れや仕事がうまくいかないなどといった違和感から受けた検査で「発達障害」と診断された知花と悟の物語である。長年違和感を抱いていた私もこの放送をきっかけに発達障害の検査を受けてみた。

 私が感じていた違和感は以下の通りである。

・人の雑談が頭に入ってこないことがある。

・服を自分で選んで買うことが出来ない。

・時間にぎりぎりの行動が多い。

・変わっている、変人、頭がおかしい、話が面白いと言われる。

・簡潔にまとめるのが苦手で、大長文を書いて驚かれることがある。

・読書感想文は母から辺と言われ、たくさん手伝ってもらっていた。今でも文章を書くと変だと言われ、コラムとか書いたりするのは変だと周りから思われるんじゃないかと不安になる。

・そこまで親しくないけれど、それなりに関係のある人との突然の雑談が苦手(ばったり会うなどして)。

・給食で話しながら食べるのが苦手。コロナで一人で黙って食べられるので快適。

・突然予定を提案されたり、変更されたりすると混乱してムカつく。

・人から受け取ったことをそのまま受け取ったり、思ったこちを精査せずにそのまま言ってしまうことがある。

・仲良くしてもらえてるのに疎外感を感じることがある。

・中学時代は周りになじむことが出来ず、いじめを受けていた。

・婚活を3年続けているが誰とも交際に至らない。

・大学時代の研究室では院生の先輩の言動に振り回され、全くうまく立ち回ることが出来ず、常に涙があふれ出てくるようになってしまった。

・社会人サークルに入っていたが、一人いつまでもなじめず孤独感があり、きつめの言葉で注意されることにも耐えきれず辞めてしまった。

・よく靴が壊れる。(?)

といった感じである。婚活に関してはまたいつか語らせていただこうと思う。

グーグル検索し、最初に出てきた「ブレインクリニック」でQEEG検査(定量脳波検査)を行った。結果は、「ASDADHDの傾向が強く出ている」とのことであった。ASDは何となく自覚があり自分で疑っていたのでやっぱりと納得したが、ADHDはそこまでの自覚がなかったので少し驚いてしまった。

 自閉スペクトラム症ASD)とは言葉や、言動以外の方法、例えば、表情、視線、身振りなどから相手の考えてることを読み取ったり、自分の考えを伝えたりすることが不得手である、特定のことに強い興味や関心を持っていたり、こだわり行動があるといったことによって特徴付けられる。一方、注意欠陥多動性障害ADHD)とは、年齢あるいは発達に比べて注意力が足りない、衝動的で落ち着きがないといった特性があるために日常生活に支障をきたしている状態のことで医学的には注意欠如・多動症とも呼ばれる。知的障害を伴わないASDの約30%にADHDが併存しており、ASDの傾向が強いほど併存率が高まるという研究結果もあるようで、私はここに当てはまるのであるとのことであった。私はASDの自覚はあるがADHDの自覚はないことを医師に伝えたところ、ASDの影響が強く出ておりADHDの症状が目立っていないだけだとのことであった。

 発達障害というのは決して治るものではないと言われているが、TMS(経頭蓋磁気刺激)で脳の機能を改善させることで相手の考えや想いを邪推することなくコミュニ―ケーションを改善させたり、ADHDの集中力、多動や衝動性、攻撃的な行動を改善することが明らかになっているそうで、医者から気配りができるようになって婚活も上手くいくかもしれないと言われてしまった。TMS治療は保険適応されていないため、私の場合、TMSの治療費は合計64万円ほどと高額であるため、治療を受けるかどうか悩んでいるところである。

 話は変わるが、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に平成25年度に精神疾患が加わり五大疾病となっている。精神疾患患者数は2008年度は約323万人であったが、今や約419万人と増加を続けており、2008年度と変わらず現在も他の疾病の患者数を大きく上回っている。私は幸い職場の人間関係が良く私のことも受け入れてもらえているため仕事に支障はあまりなく過ごせているが、発達障害やそれに伴う精神疾患によって働くことが難しくなるケースも多いだろう。抗うつ薬等の薬物療法やカウンセリング等で軽快するケースもあるが、治療が難航するケースは少なくない。また、診察やカウンセリングといった主観的要素の強い手法では発達障害の診断を正確に行うことは難しい場合もあるとのことで、仮に誤った診断の場合、治療によって却って悪化することもあるとのことであった。以上のようなことを踏まえて、QEEG検査やTMS治療といった客観的な数値で測ることが出来るため画期的な手法である可能性が考えられ、保険適応になるといいなと強く感じる。

 社会人サークルや婚活での人間関係の構築に現在は困っているところであり、なぜ自分はそこまでできないのかと責めて鬱っぽくなることが多かったが、今回客観的な手法で発達障害をの診断をもらえたことで多少楽になったような気がした。しかし、それでも普通の会話をして良好な人間関係を築きたいし、婚活も成功させたい。私にとって人間関係の構築は茨の道であり、心は折れそうであるが自分の心を見つめながら未来を作っていきたい。